歯科医院で「噛み合わせが悪い」と指摘されたけれど、今のうちに治療をはじめておくべきなのか悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
噛み合わせが悪い状態とは、専門用語で「不正咬合(ふせいこうごう)」といい、出っ歯や受け口、すきっ歯など大きく7種類に分けられます。
不正咬合は口腔内の不調だけでなく、顔の歪みや頭痛など全身の不調を引き起こしている可能性も。
そこで本記事では、不正咬合によって起こる8つの症状とどうやって治すのかを解説します。
不正咬合によって起こる8つの症状
このセクションでは不正咬合が原因の一つと考えられる健康への悪影響を8つ紹介します。
【不正咬合が原因の一つである悪影響】
- 顎関節症
- 頭痛・肩こり・腰痛
- 物が噛めない
- 顔の歪み
- 虫歯・歯周病
- 歯ぎしり・食いしばり
- 滑舌が悪い
- ストレス
顎関節症
- 口を開けるときにあごがカクッと音がする
- あごが痛む
- 大きく口が開かない
これらの症状が顎関節症の診断基準です。
噛み合わせが悪く、あごに負担がかかっていることが顎関節症の原因の一つ と考えられていま
す。
顎関節症になると顎が痛くなったりカクカク音が煩わしくなったり、大きなものが食べにくかったりと、日常生活に支障を来すでしょう。
頭痛・肩こり・腰痛
全身の筋肉は筋膜で繋がっています。そのため、ある筋肉に負担がかかると引っ張られるようにあらゆる部分に影響が出ます。
口周りには口輪筋や咬筋などたくさんの筋肉が存在しています。噛み合わせが悪く口周りの筋肉に負担がかかると、繋がっている首や肩の筋肉まで影響し、頭痛や肩こりなどの症状が出ることも。
原因不明の頭痛や腰痛に悩んでいた人が矯正後に症状が改善された例 も少なくありません。
しっかり物が噛めない
噛み合わせが悪いと、 左右バランスよく噛んで食事をすることができません 。よく噛めないまま飲み込んでしまうので、胃腸にも負担がかかります。
顔の歪み
噛み合わせの不具合によりいつも右だけ、左だけといった同じ側だけで噛んでいると、噛んでいる方の筋肉ばかりが発達するため顔のバランスが崩れて左右差が出ることも。
さらに偏った箇所の歯を使い続けることになるので、噛んだときに痛みが出たり、欠けたりしてしまうこともあるでしょう。
虫歯や歯周病になりやすい
噛み合わせや歯並びが悪い場合、 いつも同じ場所に磨き残しが起こりがち です。
噛み合わせのよい人と比べると歯磨きしにくいので、歯垢が溜まり虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
歯ぎしりや食いしばり
噛み合わせが悪いと気がつかないうちに歯ぎしりや食いしばりをしていることも多く、あごに負担がかかってしまいます。
普段噛んでいるときにかかる力は体重に比例するといわれていますが、歯ぎしりや食いしばりの力は体重の2〜5倍の力がかかるとされています。 ときには300kgもの力になることも。
歯ぎしりや食いしばりで相当な力が加わったあごや歯には、以下のような悪影響が考えられます。
- 歯がすり減る・ヒビが入る
- 歯槽骨(あごの骨)が吸収されて歯がグラつく
- 歯ぎしりの音で眠れない
- 起きたときにあごや頬がだるい
- 歯が痛む
滑舌が悪い
噛み合わせが悪いと 歯の隙間から息が漏れたり、舌の動きに制限がかかる ため、滑舌が悪くなることがあります。特に発音が不明瞭になりやすいのは、サ行・タ行・ラ行です。
ストレスを感じる
ここまで紹介したように、噛み合わせが悪いことでさまざまな健康への悪影響があります。
たとえばあごの違和感や頭痛、肩こりなどが長期間続くことによって生活が不便になり、ストレスに感じることもあるでしょう。
正しい噛み合わせのチェックポイント7つ
【噛み合わせのチェックポイント】
1. 上下の奥歯がしっかりと噛み合っているか
2. 歯が左右に傾きすぎていないか
3. 歯が前後に傾きすぎていないか
4. 歯がねじれていないか
5. 歯と歯の間に隙間がないか
6. 歯は水平に並んでいるか
7. 噛み合わせが深すぎないか(高すぎないか)
不正咬合は放置せず早めに相談を
噛み合わせの良し悪しは、体の健康と大きく関係しています。
子どもの頃から姿勢などの癖に気をつけておくことで悪い噛み合わせになることを防ぐこともできます。
大人になってからでも、矯正や手術をすることで噛み合わせを良くすることができますので、諦める必要はありませんので、噛み合わせが気になったら、放置せず早めにご相談ください。