インプラント治療は、失った歯を補うための優れた治療法ですが、一部の患者様から「インプラントを入れてから口臭が気になるようになった」という声を聞くことがあります。実際、インプラントによって口臭が強くなることはあるのでしょうか？本記事では、インプラントと口臭の関係について詳しく解説し、原因やその対策についてお伝えします。
インプラントと口臭の関係
インプラント自体は人工歯根であり、金属やセラミックなどの素材でできているため、それ自体が口臭を発生させることはありません。しかし、インプラント周囲の環境やケア不足によって口臭の原因となることがあります。
インプラントによる口臭の主な原因
1. インプラント周囲炎（歯周病と似た炎症）
インプラントを支える歯茎や骨の周りに細菌が増殖し、炎症を引き起こす「インプラント周囲炎」は、口臭の大きな原因の一つです。これは、天然歯に起こる歯周病と似た病態で、歯茎の腫れや出血、膿の発生を伴うこともあります。
原因
* 毎日の歯磨きやフロスなどのケア不足
* 定期的な歯科メンテナンスの未実施
* 喫煙や糖尿病などのリスク要因
対策
* 丁寧なブラッシングとフロス、歯間ブラシを使用する
* 歯科医院での定期的なクリーニングとチェックを受ける
* 喫煙を控え、健康管理に気をつける
2. プラークや食べかすの蓄積
インプラント周囲は、天然歯と比べてプラークや食べかすが溜まりやすい傾向があります。特に、インプラントの被せ物（クラウン）と歯茎の間に汚れが蓄積すると、細菌が繁殖し、悪臭の原因となります。
原因
* 清掃が十分でない
* インプラントの形状による清掃のしにくさ
対策
* 電動歯ブラシを使用して磨き残しを減らす
* フロスや歯間ブラシを活用し、隙間の清掃を徹底する
* うがい薬やデンタルリンスを使用し、細菌の繁殖を防ぐ
3. 口腔内の乾燥（ドライマウス）
唾液は口腔内の細菌を洗い流し、口臭を防ぐ役割を担っています。しかし、加齢やストレス、薬の副作用などによって唾液の分泌が減少すると、口臭が発生しやすくなります。インプラントが直接ドライマウスを引き起こすことはありませんが、口腔内の変化により影響を受けることがあります。
原因
* 加齢やストレスによる唾液分泌の低下
* 抗うつ薬や降圧剤などの薬の副作用
* 口呼吸の習慣
対策
* 水分をこまめに摂取し、口腔内を潤す
* キシリトールガムを噛むなどして唾液の分泌を促す
* 口呼吸を改善するために、鼻呼吸を意識する
4. インプラントの適合不良
まれに、インプラントの被せ物（クラウン）が歯茎にしっかり適合していないと、隙間に汚れが入り込みやすくなり、細菌の温床になることがあります。この状態が続くと、悪臭の原因となるだけでなく、インプラント周囲炎のリスクも高まります。
原因
* クラウンの形状が不適切
* セメントの残留
対策
* 被せ物の適合を歯科医院で確認し、必要に応じて調整を行う
* セメントが適切に除去されているかチェックする
インプラントによる口臭を防ぐための習慣
インプラントによる口臭を防ぐためには、毎日のケアと歯科医院での定期検診が欠かせません。
1. 正しい歯磨き方法を実践する
インプラントの周囲は汚れが溜まりやすいため、歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを併用し、細かい部分まで丁寧に清掃しましょう。
2. 定期的に歯科医院でメンテナンスを受ける
インプラントの状態を定期的にチェックし、歯科医院でのプロフェッショナルクリーニングを受けることで、口臭やインプラント周囲炎を予防できます。
3. 生活習慣を見直す
喫煙や過度の飲酒は口腔内の健康に悪影響を与えるため、できるだけ控えましょう。また、ストレス管理やバランスの取れた食事も、口腔内の健康維持に役立ちます。
まとめ
インプラント自体が口臭の原因になることはありませんが、適切なケアを怠ると、インプラント周囲炎やプラークの蓄積、ドライマウスなどによって口臭が発生することがあります。毎日の丁寧な歯磨きやフロスの使用、定期的な歯科メンテナンスを継続することで、インプラントの健康を守りつつ、口臭を防ぐことができます。西宮のあかつき歯科医院では、インプラントのセカンドオピニオンを行なっており、インプラント後のメインテナンスなどのご相談も可能ですので、まずはお気軽に西宮市の【あかつき歯科医院】までご相談ください。
